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Gemini 3.6 Flashを実機検証|速いのに15秒待つ理由と使いどころ

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この記事でわかること

  • Gemini 3.6 Flashが速いと言われる理由
  • 速いはずなのに待たされる場面がある仕組み
  • 文章・書類・ゲーム生成で試した実際の実力
  • 料金に見合う作業と、任せない方がいい作業

 

「僕が実際に同じお題を投げて競争させたら、最初の十数秒はまったく動かないのに、書き始めてからは他のモデルを追い抜いて先にゴールしました」

 

新しいモデルが出るたびに最速という言葉が飛び交いますが、今回のGemini 3.6 Flashはその中身が少し変わっています。毎秒どれだけ文字を吐き出せるかで見ると上位クラスなのに、質問を投げてから最初の一文字が返ってくるまでの待ち時間は、比較対象のなかでもかなり長い部類に入ります。この2つの数字が同居しているせいで、速いという評判と、遅いという体感が同時に生まれているわけです。

 

こんにちは、ルーティンラボ(@rutinelabo)です。今回はGoogleが2026年7月21日に発表したGemini 3.6 Flashを、公式の数字と自分の手元での検証の両方から見ていきます。同じGeminiの上位モデルについては、こちらの記事で詳しく扱っています:Gemini 3.1 Proのキャンバス機能でできること完全ガイド

 

【2026年最新】Gemini 3.1 Proのキャンバス機能でできること完全ガイド(

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Gemini 3.6 Flashとは|同時発表された3モデルのうちの1つ

Gemini 3.5 Flash世代の公式ベンチマーク比較表

 

Gemini 3.6 Flashは、Googleが2026年7月21日に発表したモデルです。日本のユーザーが実際に触れるようになったのは、その翌日から翌々日あたりでした。位置づけとしては、エージェントの時代に向けて、上位モデル級の賢さを高速かつ低コストで提供するというものになっています。

3つのモデルが同時に発表された

この日に発表されたのはGemini 3.6 Flashだけではありません。用途の違う3つのモデルが同時に並び、さらに次の世代の予告まで添えられていました。

 

  • Gemini 3.6 Flash:今回の主役。速度と賢さのバランスを取った中核モデル
  • Gemini 3.5 Flash-Lite:さらに軽く安い廉価版。毎秒350トークンで3.6より速い
  • Gemini 3.5 Flash Cyber:セキュリティ用途に特化。政府機関や信頼できるパートナー向けの限定提供
  • あわせて次世代のGemini 4が予告された

出典:Google公式発表(2026年7月時点・公式参照)

 

3.6と3.5が入り混じっていて紛らわしいのですが、数字の大きさがそのまま新しさを表しているわけではありません。3.6 Flashが賢さ寄りの本命で、3.5 Flash-Liteは速さと安さに全振りした別枠、と考えると整理しやすくなります。

スペックを確認する

扱えるデータの種類は前の世代から変わっていません。テキストはもちろん、画像や動画、音声ファイル、PDFもそのまま投げられます。出力はテキストのみなので、画像生成や音声生成には対応していません。

 

項目 内容 出典(2026年7月時点・公式参照)
発表日 2026年7月21日 Google公式
入力コンテキスト 1,048,576トークン(約100万) 公式ドキュメント
最大出力 65,536トークン 公式ドキュメント
入力できる形式 テキスト・画像・動画・音声・PDF 公式ドキュメント
出力できる形式 テキストのみ(画像生成・音声生成は非対応) 公式ドキュメント
思考モード 対応(先に考えてから出力する設計) 公式ドキュメント
使える場所 Geminiアプリ・Google AI Studio・GitHub Copilot GitHub公式

 

知識をどの時点まで学習しているかを示すカットオフについては、公式ドキュメントに記載がありませんでした。ここを断定している解説をたまに見かけますが、出どころが確認できないので本記事では触れないことにします。

 

速さの正体|出力は上位クラス、でも最初の返答までは長く待つ

出力速度と最初の返答までの時間を並べた速度指標の比較図

 

速いという評判の正体は、指標を2つに分けると一気にはっきりします。1つは書き始めてからの出力速度、もう1つは投げてから最初の一文字が返るまでの時間です。この2つはまったく別の物差しで、Gemini 3.6 Flashは前者が上位クラス、後者が最下位クラスという極端な組み合わせになっています。

毎秒の出力量は世代でしっかり伸びた

まず、書き始めてからの速さです。1秒あたりに吐き出せるトークンの量で見ると、前の世代のGemini 3.5 Flashより明確に上回っています。リリース直後の計測では毎秒280トークン前後まで出て、当時は全モデル中の1位でした。

 

Gemini 3.5 FlashとGemini 3.6 Flashの出力速度を比較した棒グラフ

 

ただし、この手の数値は計測のタイミングで前後します。本記事を書いている2026年7月27日時点で確認し直すと毎秒229.5トークンで、190モデル中3位という位置でした。1位という表現はリリース時点の実測値であって、いま常にトップという意味ではない、という点だけ押さえておけば十分です。

最初の一文字までは15秒近く待つ

問題はもう1つの数字のほうです。プロンプトを投げてから最初のトークンが返ってくるまでの時間を見ると、Gemini 3.6 Flashは12秒から15秒ほどかかっています。同じ価格帯のモデルの中央値が3秒弱なので、5倍前後の開きです。

 

指標 Gemini 3.6 Flash Gemini 3.5 Flash 同価格帯の中央値
出力速度 229.5トークン/秒(190モデル中3位) 181.0トークン/秒 71.7トークン/秒
最初の返答までの時間 15.26秒 22.26秒 2.80秒
知能指数 50(190モデル中26位) 32

出典:Artificial Analysis(2026年7月27日時点)。動画の収録時(7月23日確認)は毎秒261.1トークン・最初の返答まで12.78秒でした。

 

つまり、走り出すまでが遅くて、走り出したら速いモデルです。賢さを示す指数のほうは50で、同じ価格帯の平均である32を大きく上回っているので、速いだけで中身が薄いという方向の弱さではありません。先に考えてから一気に書き出す設計が、そのまま体感に出ているだけです。

 

待ち時間が気になるかどうかは用途で決まる

一言だけのやり取りを何度も往復する使い方だと、この十数秒がそのまま体感の遅さになります。逆に、長い文章を一気に書かせる作業や、エージェントに何十分も自走させる作業では、最初の待ち時間は全体のなかに埋もれてほとんど気になりません。同じモデルでも評価が割れるのはここが理由です。

 

文章生成で競争させた|2000字のブログを同時に書かせる

左右2画面に別々のモデルを並べて同じお題を投げる比較画面

 

数字だけ見ても手触りは分からないので、画面を左右に並べて同じお題を同時に投げました。左がGemini 3.6 Flash、右が上位モデルのGemini 3.1 Proです。お題は、生成AIを仕事で使い始めるときに最初にやるべきことを3つ挙げて、初心者向けの解説ブログを2000字で書くというもの。

最初は止まって見えるが、書き始めると速い

投げた直後、3.6 Flashはまずウェブ検索を始めました。ここで画面が動かない時間が続きます。事前に聞いていた最初の生成が遅いという話は、まさにこの部分でした。

 

左側のGemini 3.6 Flashが先に本文を出し切った左右比較の画面

 

ところが書き始めてからは一気でした。ずらっと本文が流れて、2000字を超えていそうな分量を先に出し切ってしまいます。この時点で右側の3.1 Proはまだ書き終わっていません。体感としては最初に10秒から20秒ほど待たされて、そこからは速い、という流れです。

3.5 Flashはさらに速い

比較のために、もう1つ画面を開いて同じ内容を軽量版でも試しました。こちらはさらに速く、投げてから少し考える間はあるものの、そのあとのレスポンスは驚くような速度で返ってきます。

 

Gemini 3.5 Flashが高速に回答を返しているチャット画面

 

会話をぽんぽん往復させたいタイプの使い方をするなら、正直このクラスのほうが向いています。追加で会社員向けの活用方法を4つ挙げてほしいと投げても、待たされている感覚がほとんどありませんでした。

 

PDFを読ませた|業績レポートの分析を軽量版と比べる

検証に使った業績レポートのサンプルPDF

 

次はマルチモーダルの実力です。営業利益などの数字をグラフと表に落とし込んだ架空の業績レポートを用意して、書類の分析をさせました。左がGemini 3.6 Flash、右が3.5 Flash-Liteという組み合わせです。

 

ファイルをそれぞれ読み込ませて、ほぼ同時にスタートさせます。廉価版のほうが速いだろうと思って先に走らせたのですが、結果は逆でした。

 

PDF分析の結果が左右の画面に出そろったところ

 

3.6 Flashのほうが目に見えて速く分析を終えます。出てきたデータの中身自体は、両者でほぼ同じでした。書類を読ませて要点を抜き出す作業に関しては、待たされる感覚なくサクサク使えます。Googleの発表でも、法律分野や金融リサーチの企業がこの書類パースとレポート作成の用途で評価したと紹介されていて、実際に触った印象とも一致していました。

 

公式ベンチマークは大きく伸びている

Gemini 3.5 Flashから3.6 Flashへの公式ベンチマークの伸びを示した棒グラフ

 

公式が出している数字も見ておきます。自律的にコードを書かせるベンチマーク、機械学習の実務タスク、パソコン操作を任せるエージェント系のテストで、いずれも前の世代から明確に伸びていました。速くなっただけのマイナーチェンジではない、というのが公式側の主張です。

 

あわせて、同じタスクをこなすのに使う出力トークンが約17パーセント減ったとも報告されています。長時間のエンジニアリング作業では、最大で65パーセントのコスト削減につながったという計測結果も出ていました。少ないステップで終わるから結果的に安く済む、という設計思想です。

 

ただ、公式の比較表を見るときに1つ気をつけたい点があります。並んでいる比較相手が、同じクラスの少し前の世代に寄っているのです。最新の最上位モデルと横並びにすると、スコアの見え方はかなり変わってきます。速さと引き換えに賢さをどこまで許容するか、という前提で読むのが安全です。

 

ここまでが公式の言い分なので、コードを書かせる力については自分のお題で確かめることにしました。

 

コーディングを6本勝負で検証|3Dは意外と健闘、マイクラ風は届かない

いつも新しいモデルが出たときに投げている定番のお題を、まとめて1回出しで試します。追加の指示は出さず、最初の1回でどこまで作り込んでくれるかだけを見る条件です。

2Dアクションとオセロは物足りない

Gemini 3.6 Flashが生成した2Dアクションゲームのプレイ画面

 

まずは2Dのアクションゲームです。音声まで付けてきたのは良かったのですが、クオリティは高いとは言えません。ゴールらしき場所は用意されているのに、ジャンプがステージの上まで届かず先に進めない場面がありました。

 

Gemini 3.6 Flashが生成したオセロゲームの盤面

 

続いてオセロです。上位モデルが出たときにブラウザ上で作らせて楽しめたお題なのですが、今回は精度がいまひとつでした。もちろん何度も指示を重ねて作り込めば形にはなります。1回のポン出しでどこまで出るかを見る条件なので、そこは差し引いて考えてください。

サイト制作と3Dゲームは十分使える

Gemini 3.6 Flashが生成したWebサイトのトップページ

 

一方でWebサイトの生成はシンプルにまとまっていて、マウスを乗せたときのアニメーションも問題なく動きました。少しAIらしさが残る見た目ではあるものの、最近のモデルはどれも集客用のページ作りがかなり得意になってきた印象です。

 

Gemini 3.6 Flashが生成した3Dの巻き込みゲームのプレイ画面

 

意外と良かったのが3Dです。小さいものを転がして巻き込みながら大きくしていくタイプのゲームを作らせたら、車まで巻き込めるところまで動きました。なめらかさはまだ足りませんが、十分に遊べるレベルです。横スクロールで障害物をよけていくシンプルな2Dゲームも、しっかり遊べるものが返ってきました。

マインクラフト風で差がはっきり出た

Gemini 3.6 Flashが生成したマインクラフト風のボクセル世界

 

いちばんハードルが高いのが、マインクラフト風のボクセル世界です。ステージらしきものは作ってくれて、ブロックを壊す操作も入っています。夜になる時間変化まで実装されていました。ただ、足場の見た目や全体の世界観の作り込みが追いついていません。

 

同じお題を前回試したモデルと並べると、差は一目で分かります。Kimi K3で作ったものとはクオリティが明らかに違いましたし、その前に検証したQwen3.8と比べても今回のほうが物足りない出来でした。3Dのビジュアルが絡むお題は、モデルの差が浮き彫りになりやすい領域です。

 

お題 Gemini 3.6 Flashの体感
2Dアクションゲーム 音声付きだがジャンプが届かず進めない場面あり
オセロ 1回出しでは精度がいまひとつ
Webサイト・LP シンプルで実用的。ホバー動作も問題なし
3Dの巻き込みゲーム 十分遊べる。なめらかさはもう一歩
横スクロール2D しっかり遊べる完成度
マインクラフト風 動くが世界観の作り込みが弱い。Kimi K3・Qwen3.8が上

出典:本記事の実機検証(2026年7月・同一プロンプトの1回出し)

 

同じ土俵で検証した過去の記事もあわせてどうぞ。Kimi K3を実機検証した記事Qwen3.8を実機検証した記事で、今回比べた相手の詳細を書いています。

 

Kimi K3を実機検証|Fable 5超えのフロントエンド性能と料金を解説

続きを見る

 

料金|安さで選ぶモデルではない

気になる価格です。100万トークンあたりで、入力が1.5ドル、出力が7.5ドルとなっています。前の世代が出力9ドルだったので、単価としては約17パーセント下がった計算です。

 

モデル 入力(100万トークン) 出力(100万トークン)
Gemini 3.6 Flash 1.50ドル 7.50ドル
Gemini 3.5 Flash 1.50ドル 9.00ドル
Gemini 3.5 Flash-Lite 0.30ドル 2.50ドル

出典:公式ドキュメントArtificial Analysis(2026年7月時点・公式参照)

 

正直な感想を書くと、少し高めです。単価が下がったとはいえ、フラッシュという名前から受ける格安のイメージほど安くはありません。出力トークンが17パーセント減るという効率の話と合わせて、ようやく元が取れるという水準に見えます。

 

ちなみにコマンドラインのツールを入れて使っている場合は、無料枠がなかなか減らないので、そちらの経路のほうがかなりお得に触れます。まず試したいだけなら、ブラウザで開けるGoogle AI Studioから入るのがいちばん手軽です。

 

どう使い分けるか|長文と音声入力が本命

生成したゲームやサイトを見比べて使い分けを整理している画面

 

ここまでの検証を踏まえて、どの作業に回すかを整理します。結論としては、大量のテキストを扱う作業に向いていて、品質を1つずつ担保したいコーディングには向かない、という線引きになりました。

 

向いている作業 向いていない作業
長文の記事やブログの一括生成 一言ずつ往復する即レスのチャット
音声データの文字起こしと整形 品質を作り込みたい3Dやゲーム開発
大量の書類・PDFの読み取りと要約 最高難度の推論を求める作業
エージェントに長時間まかせる連続タスク アプリ開発の中核となる設計

 

僕自身は動画編集もするので、テロップの処理を正確に、かつ速く終わらせたいときにあえてGeminiを選ぶことがあります。上位モデルで仕組みの設計だけ済ませておいて、そのあとの繰り返し作業をこちらに差し替えるという分け方も相性が良いです。逆に、アプリ開発のように1つずつの品質を担保したい場面では、設計を上位モデルに任せて実装も別のモデルで回したほうが安定します。

いちばんおすすめなのは音声入力

今回いちばん推したいのは、実はコーディングでもベンチマークでもありません。スマートフォンのアプリから使える音声入力の機能です。

 

マイクに向かって話すだけで、文字起こしをしてくれるだけでなく、体裁を整えて読める文章にまとめ直してくれます。精度がかなり高いので、メールの下書きを口頭で済ませたり、思いついたことをそのまま記事のメモに変換したりする使い方が捗ります。Androidを使っているなら、ここは絶対に試す価値があります。

 

まず試すならこの順番で

いきなり開発に組み込むのではなく、まずスマートフォンのアプリで音声入力を1週間ほど使ってみてください。そのうえで長文の生成やPDFの要約を任せてみて、待ち時間が気にならない作業かどうかを確かめる。この順番なら、無料の範囲でも自分に合うかどうかを判断できます。

 

モデルごとの得意分野を踏まえた使い分けについては、設計と実装でモデルを分ける運用術の記事にまとめてあります。

 

保護中: AIモデルの賢い使い分け術|Fable 5で作りGPT-5.6で回す運用

続きを見る

 

まとめ|速さの中身を知ってから使う場所を決める

Gemini 3.6 Flashを実機検証

Gemini 3.6 Flashは、書き始めてからの速度と賢さのバランスが取れた、扱いやすいモデルでした。ただし最初の返答までは十数秒かかるので、往復の多い会話には向きません。この2つの性質を分けて理解しておくと、評判に振り回されずに済みます。

 

コード生成については、サイト制作や軽めの2Dゲームなら十分実用的な一方、作り込みが必要な3Dのお題では他のモデルに軍配が上がりました。料金も格安という水準ではないので、何でもこれで済ませるモデルではありません。

 

  • 2026年7月21日に発表。100万トークンの入力に対応し、PDFや音声もそのまま読める
  • 出力速度は上位クラスだが、最初の返答までは15秒前後かかる
  • 公式ベンチは前世代から大きく向上。出力トークンも約17パーセント削減
  • 長文生成・書類の読み取り・音声入力が本命。作り込みが要る開発には向かない

 

新しいモデルが出るたびに同じお題で比べているので、次の世代と見比べたい方はチャンネル登録して待っていてください。それではまた次の記事でお会いしましょう。

 

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  • この記事を書いた人

せなお

RutineLaboの管理人:せなお。 AIやITに関する情報発信中。ブログでは最高月間1.8万PVを達成 | YouTubeチャンネル収益化 | 総フォロワー数12,000人以上。 副業からスタート、合同会社Routinelaboを運営中

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