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GPT-Transcribeを実機検証|文字起こしAI16モデルの精度と料金

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この記事でわかること

  • GPT-Transcribeとは何か(OpenAIの新しい文字起こしAPI)
  • 同じ日本語音源で16モデルを比べた精度と料金の実測
  • 無料枠で有料モデルに並べるのはどれか
  • 字幕・議事録・大量処理で選ぶべきモデルの基準

 

まず2分で全体像をつかみたい方はこちら

この記事の要点だけを2分にまとめた解説スライドです。詳しい中身はこの下の本文で解説しています。

 

「僕が同じ40秒の日本語音声を16モデルに文字起こしさせたら、無料のAIが有料モデルと並びました」

 

2026年に入ってから、音声を扱うAIのリリースが一気に加速しました。OpenAIの新しい文字起こしAPIが出て、GoogleもMicrosoftも新モデルを投入し、選択肢が急に増えています。ただ、どれがどれくらい正確なのかを日本語で試した比較は、ほとんど見当たりません。

 

こんにちは、ルーティンラボ(@rutinelabo)です。今回は自分で検証用のサイトを作り、同じ音源を16モデルに投げて、精度と料金と処理時間をまとめて測りました。前回の声だけでCodexにアプリを作らせる回の続きにあたる、音声AIシリーズの第1回です。

 

ChatGPTボイスが凄い|声だけでCodexがWebアプリを作る使い方

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GPT-Transcribeとは|Whisperの後継にあたる文字起こしAPI

OpenAIの新しい文字起こしAPI GPT-Transcribeの紹介画面

 

GPT-TranscribeはOpenAIが2026年7月末に公開した文字起こし専用のモデルです。録音済みの音声ファイルを渡すとテキストが返ってくる、いわゆるボイス・トゥ・テキストのAPIで、これまで定番だったWhisperの置き換えを狙った位置づけになります。

 

公式が出している数字は、はっきりと差がついています。22言語のCommon Voiceという読み上げデータで測った誤り率は、従来のwhisper-1が40.37%だったのに対してGPT-Transcribeは19.27%。誤りがおよそ半分になった計算です(2026年8月時点・OpenAI公式の発表)。

 

ベンチマーク GPT-Transcribe whisper-1(従来)
Common Voice(22言語)の誤り率 19.27% 40.37%
実世界の録音(9言語)の誤り率 8.98% 15.21%
文脈を渡したときの意味的精度 41.6% → 45.2%

 

ただし、この数字はどれも多言語をまとめた平均です。日本語だけを取り出した精度は公式から発表されていません。日本語で毎日文字起こしを回している人間にとって、いちばん知りたい部分が空白のままなわけです。そこを埋めるために、今回は自分で測ることにしました。

 

2026年の音声AIは3つの層に分かれている

音声AIを3つの層に分けて整理した図解

 

モデルを比べる前に、いま出ている音声AIを整理しておきます。同じ音声AIという言葉で語られていますが、実際には役割の違う3つの層に分かれています。ここを混ぜたまま選ぼうとすると、必要のない高いモデルを選んでしまいます。

 

やること 代表的なモデル
①録音ファイルを文字にする 収録済みの音声をまとめてテキスト化 GPT-Transcribe / Whisper / Nova-3
②喋りながら字幕を出す 低遅延で発話中の文字を出し続ける GPT-Live-Transcribe / GPT-Realtime-Whisper
③声で開発エージェントを動かす ①②を組み込んで音声で操作する仕組み Codexの音声操作・音声エージェント系

 

この記事で扱うのは①の層です。ブログの書き起こし、動画のテロップ作成、会議の議事録といった、日常でいちばん出番の多い用途がここに当たります。②のリアルタイム系は次回の記事で扱います。

 

そして③は、①②を部品として使ってアプリを組んだ結果できあがるものです。声でCodexに指示を出してWebアプリを作らせる、といった使い方がこれにあたります。逆に言えば①の精度とコストを押さえておけば、自分で音声を使ったサービスを作るときの土台がそのまま手に入ります。

 

料金の整理|1分0.017ドルはライブ用の値段

音声APIの1分あたりの料金が表示された画面

 

先に料金を整理しておきます。OpenAIの音声APIは1分あたりいくらという課金で、モデルによって単価が3倍以上変わるからです。混同しやすいので表にまとめます。

 

モデル 用途 1分あたり
gpt-transcribe 録音ファイルの文字起こし $0.0045
gpt-4o-transcribe 録音ファイルの文字起こし $0.006
gpt-4o-transcribe-diarize 話者分離つきの文字起こし $0.006
whisper-1 録音ファイルの文字起こし(従来) $0.006
gpt-live-transcribe ライブ字幕 $0.017
gpt-realtime-whisper ライブ字幕・音声のやり取り $0.017

 

ここが大事なところです。よく話題に出る1分0.017ドルという価格は、リアルタイム側の値段です。録音済みのファイルを文字にするGPT-Transcribeは1分0.0045ドルで、従来のwhisper-1(0.006ドル)より25%安くなっています(2026年8月時点・OpenAI公式の料金表)。

 

つまり新モデルは、精度が上がって値段が下がっています。同じ会社の旧モデルを使い続ける理由は、価格の面では無くなったことになります。

 

16モデルを同じ日本語音源で比べた

自作した音声モデル検証アリーナのモデル一覧画面

 

ここからが本題の実測です。モデルごとにサイトを開いて試すのは手間なので、同じ音声を全モデルに同時に投げて結果を並べる検証用のサイトを自分で作りました。条件をそろえないと比較にならないためです。

 

使った音源は、自分のYouTube動画から切り出した日本語40秒です。AIモデルのレビュー音声なので、英数字混じりの型番やモデル名が何度も出てきます。文字起こしにとってはかなり厳しい条件で、実際にclaude-opus-5のような表記をどう返すかで差が出ました。

 

指標には文字誤り率を使い、記事では読みやすさのために正答率(100から文字誤り率を引いた値)で表記しています。全モデルの音声をmp3に統一し、用語のヒント(このあと出てくる固有名詞を先に伝える機能)は全モデルで有効にしました。

 

日本語音源40秒で測った文字起こしAI15モデルの正答率グラフ

 

結果が上のグラフです。処理時間と実際にかかった料金まで並べると次のようになりました。

 

モデル 正答率 処理時間 この40秒の実費
GPT-Transcribe 100.0% 2.6秒 $0.0030
Deepgram Nova-3 93.3% 1.8秒 $0.0029
Microsoft MAI-Transcribe 1.5 93.3% 2.9秒 $0.0040
Google Chirp 3 89.1% 5.3秒 $0.0107
Gemini 3.6 Flash(無料枠) 89.1% 10.4秒 $0
GPT-4o Transcribe Diarize 87.4% 7.9秒 $0.0040
Mistral Voxtral Mini 79.8% 1.5秒 $0.0020
Gemini 3.5 Flash-Lite(無料枠) 78.2% 4.7秒 $0
Qwen3 ASR Flash 74.8% 2.0秒 $0.0014
Whisper large-v3-turbo(ローカル) 71.4% 5.9秒 $0
Fish Audio Transcribe 1 70.6% 1.1秒 $0.0041
Whisper large-v3-turbo(Groq) 68.1% 0.5秒 $0.00044
Whisper large-v3(Groq) 66.4% 0.8秒 $0.0012
whisper-1(OpenAI・従来) 63.9% 2.6秒 $0.0040
xAI Grok STT 1.0 48.7% 1.2秒 $0.0011
NVIDIA Parakeet TDT 0.6B v3 破綻 1.0秒 $0.0010

 

16モデルすべてを1回ずつ回して、かかった費用は合計0.04ドル弱でした。日本円にすると6円程度です。比較検証そのものは、驚くほど安く済みます。

 

結果①|GPT-Transcribeは誤りゼロ、ただし条件つき

GPT-Transcribeが正答率100%を記録した検証結果の画面

 

まず目を引くのがGPT-Transcribeです。この40秒に関しては誤りゼロ、つまり正答率100%でした。固有名詞も英数字の型番も、句読点の位置まで含めて手直しの必要がない状態で返ってきます。

 

従来のwhisper-1が63.9%だったことを考えると、同じ会社の新旧でこれだけ開くのかというのが正直な感想です。公式が発表している誤り半減という多言語平均よりも、日本語ではさらに大きな差が出た形になります。

 

この100%には前提があります

今回の検証では、音声に出てくる固有名詞を事前にヒントとして渡しています。そのヒントは検証アプリを作る過程でGPT系のモデルに合わせて書いたものなので、GPT-Transcribeにとって有利な条件になっています。別の音源やヒントなしの状態でも常に100%になるとは限りません。順位そのものより、旧Whisperとの差がこれだけ開いたという読み方をしてください。

 

2位に並んだのはDeepgramのNova-3とMicrosoftのMAI-Transcribe 1.5で、どちらも93.3%でした。MAI-Transcribe 1.5は2026年6月に公開されたモデルで、対応言語を25から43に広げ、FLEURSというベンチマークで1位を取っています(Microsoft公式)。日本語でもきちんと上位に食い込んできました。

 

結果②|無料枠のGemini 3.6 Flashが有料モデルに並んだ

Gemini 3.6 Flashの文字起こし結果を表示した検証画面

 

今回いちばん驚いた結果がこれです。無料枠で使えるGemini 3.6 Flashが正答率89.1%を出し、1分あたり0.016ドルかかるGoogle Chirp 3とまったく同じスコアになりました。同じGoogleのモデルで、片方は有料、片方は無料枠です。

 

従来のwhisper-1はもちろん、Mistralのモデルや軽量なローカルWhisperよりも上に来ています。日常の書き起こし用途で言えば、無料枠だけで実用ラインを超えているということです。

 

同じGoogleの2モデル 正答率 1分あたり 処理時間
Google Chirp 3 89.1% $0.016 5.3秒
Gemini 3.6 Flash 89.1% 無料枠 10.4秒

 

弱点は速度で、この40秒に10.4秒かかりました。今回の16モデルの中では最も遅い部類です。ただ、動画1本を寝ている間に処理するような使い方なら、10秒の差は問題になりません。急がない大量処理ほど無料枠が効いてきます。

 

Androidを使っている方は、日常的にGeminiの音声認識の精度を体感しているはずです。文脈から日本語を整える力が強く、多少崩れた話し方でも読める文章にしてくれます。この性質は、そのままAPIでも効いてきます。

 

結果③|英語で最強クラスのGrok STTが、日本語では下から2番目

複数モデルの文字起こし結果を並べて表記の差を比較した画面

 

ここが今回いちばん共有したい結果です。xAIが2026年4月に出したGrok STT 1.0は、英語のベンチマークではトップクラスの評価を受けているモデルです。電話音声の固有名詞認識では誤り率5.0%を記録し、ElevenLabsの12.0%やDeepgramの13.5%を大きく引き離しています(xAI公式)。

 

ところが今回の日本語40秒では、正答率48.7%。16モデル中15位という結果でした。単語ごとのタイムスタンプが標準で取れて、話者分離にも対応していて、価格も1分0.00167ドルと安い。スペックだけ見れば有力候補なのに、日本語の精度が追いついていませんでした。

 

これは日本語で試さないと分からない部分です。海外のベンチマークが優秀だから日本語でも使えるとは限らない、という当たり前のことが数字で出ました。逆に、英語中心の用途であればコストパフォーマンスの高い選択肢になり得ます。

 

GrokとGroqは別の会社です

読みが同じで紛らわしいのですが、Grokはモデルを開発するxAIの製品名、Groqは推論を高速化する専用チップを作っている別の会社です。この記事でGrok STTと書いたものはxAIの文字起こしモデル、GroqはWhisperを高速に動かしているサービスを指します。話者分離が得意なのは前者、速度と安さが武器なのは後者です。

 

また、NVIDIAのParakeetは日本語では完全に破綻しました。誤りの量が入力の文字数を超えるという結果で、実質的に使いものになりません。多言語対応と書かれていても、日本語が想定されているとは限らない例です。

 

結果④|速さと安さで選ぶならGroqのWhisper

モデルごとの処理時間とコストが並んだ検証アリーナの一覧

 

精度とは別の軸で光ったのがGroq経由のWhisperです。40秒の音声を0.5秒で処理して、かかった費用は0.00044ドル。日本円にすると0.07円ほどです。同じWhisperでも、動かす基盤が変わるとここまで速くなります。

 

正答率は68.1%なので、そのまま公開する原稿には使えません。ただ、あとからAIに整形させる前提の下書きや、大量の音声をざっと検索できる状態にしたいときには十分です。僕自身、ブログ用の文字起こしはこの水準で足りています。

 

というのも、記事を書くために文字起こしを使う場合は、多少のカタカナ表記の揺れや文脈のズレがあっても、そのあとAIが内容を理解して整えてくれるからです。精度に高いお金を払う必要があるのは、書き起こしたテキストをそのまま人前に出す用途に限られます。

 

実際にいくらかかるのか

文字起こしAPIの1分あたり料金を比較したグラフ

 

各モデルの公式価格を並べると上のグラフのようになります。無料枠が2つあり、Groq経由のWhisperが桁違いに安く、ライブ用のモデルが最も高いという構図です。

 

音声APIの利用ダッシュボードに表示された開発中の実費

 

実際の請求で見るとどうなるか、開発中の実績を出します。音声で操作するAIエージェントのアプリを作っていたときは、5〜6時間つなぎっぱなしで検証してだいたい524円でした。アプリ1本を作る途中で500円が飛ぶ、というイメージです。

 

注意したいのは、リアルタイム系が接続している時間だけ課金され続ける点です。アプリを閉じたつもりで接続が残っていると、その間ずっと料金が発生します。1時間あたりなら数十円なので致命的ではありませんが、開発中は切り忘れに気をつけてください。

 

一方、録音済みの動画を文字起こしする用途なら桁が変わります。30分の動画をGPT-Transcribeで処理しても0.135ドル、20円程度です。毎日1本ずつ処理しても月に600円ほどなので、精度を買う価値は十分にあります。

 

用途別|どのモデルを選べばいいか

文字起こしAIの主な用途を挙げた解説スライド

 

今回の実測をもとに、用途ごとの選び方をまとめます。全部の用途で最上位のモデルを使う必要はありません。

 

用途 おすすめ 理由
動画のテロップ・字幕 GPT-Transcribe 誤字がそのまま画面に出るため精度を優先。手打ちの修正をなくせる
ブログ記事の書き起こし Groq版Whisper / Gemini 3.6 Flash あとからAIが整えるので多少の揺れは問題にならない。無料か極小コスト
会議の議事録(話者分離) GPT-4o Transcribe Diarize 誰が話したかを分けて記録できる。Grok STTも対応するが日本語精度に難あり
大量の音声をまとめて処理 Gemini 3.6 Flash / ローカルWhisper 無料枠で回せる。処理は遅いが待てる作業なら影響しない
喋りながら字幕を出す GPT-Live-Transcribe 低遅延に特化。ただし1分0.017ドルと高いので接続時間の管理が必要

 

僕の場合は、YouTubeの収録からブログ記事を書き起こす作業が毎回発生するので、そこは無料枠かGroqで回しています。一方、動画のテロップに使う文字起こしは修正の手間が直接効いてくるので、精度の高いモデルにお金を払う判断をしています。同じ人間でも用途ごとに答えは変わります。

 

OpenRouterなら全部まとめて試せる

OpenRouterの公式サイトのトップページ

 

ここまで16モデルを比べましたが、それぞれの会社でアカウントを作ってAPIキーを発行するのは現実的ではありません。今回の検証でも、複数のモデルはOpenRouterという中継サービス経由で叩いています。1つのAPIキーで各社のモデルを呼び出せる仕組みです。

 

step
1
公式サイトのExplore Modelsを開く

OpenRouterのExplore Modelsでオーディオ系モデルを表示した画面

 

テキスト生成だけでなく、オーディオやスピーチ、トランスクリプションといったカテゴリが並んでいます。ここからDeepgramのNova-3やxAIのGrok STTを直接選べます。今回の検証で使ったモデルの多くも、この一覧から呼び出しました。

 

step
2
必要な分だけクレジットをチャージする

 

10ドルだけ入金して使う、といった運用ができます。上限が決まっているので、設定ミスで想定外の請求が来る事故を防げます。いろいろなモデルをつまみ食いして自分の音源に合うものを探す段階では、この方式がいちばん安全です。

 

実際に呼び出すコードは、使いたい機能を伝えればClaude CodeやCodexが書いてくれます。公式ドキュメントを読み込んで手で実装する必要は、ほとんどありません。

 

まとめ

GPT-Transcribeを実機検証

 

同じ日本語音源で16モデルを比べた結果をまとめます。

 

  • GPT-Transcribeは1分0.0045ドルで、旧whisper-1より安くて精度も高い
  • 日本語40秒の実測ではGPT-Transcribeが誤りゼロ、whisper-1は63.9%と大きく開いた
  • 無料枠のGemini 3.6 Flashが89.1%で、有料のChirp 3と並んだ
  • 英語で強いGrok STTは日本語では48.7%。海外ベンチだけで判断しない
  • 速度と安さならGroq版Whisperが0.5秒・0.07円で頭ひとつ抜ける
  • 1分0.017ドルはライブ用の価格。録音ファイルの文字起こしと混同しない

 

いちばんの収穫は、無料枠でも実用ラインに届くモデルがあると分かったことでした。文字起こしにコストをかけるべきなのは、書き起こしたテキストをそのまま人に見せる用途だけです。用途で分ければ、支払いはかなり減らせます。

 

次回は、喋りながら字幕が出るリアルタイム系の音声AIを扱います。声で操作するアプリを実際に作ったので、そちらもあわせて紹介する予定です。

 

まずは自分がいま使っている文字起こしを、同じ音源で1回だけ別のモデルに投げてみてください。それだけで、払っている金額が適正かどうかが見えてきます。

 

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  • この記事を書いた人

せなお

RutineLaboの管理人:せなお。 AIやITに関する情報発信中。ブログでは最高月間1.8万PVを達成 | YouTubeチャンネル収益化 | 総フォロワー数12,000人以上。 副業からスタート、合同会社Routinelaboを運営中

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