この記事でわかること
- Fable 5.1で本当に伸びた場所と、ほぼ変わらなかった場所
- 10課題を前世代と同じ条件で走らせた実機比較の結果
- 「25%安くなった」の中身と、効く人・効かない人の違い
- 公式が案内しているOpus 5との使い分け方
「僕が実際にMaxプランのアカウント2つで回したら、どちらも1時間ほどで枠を使い切りました」
2026年9月1日、Anthropicが最新モデルClaude Fable 5.1をリリースしました。8月に来ると言われていたものが月をまたぎ、DeepSeekやGLMの新モデルが出そろったあとの登場です。前世代のFable 5が長らく他を寄せつけなかっただけに、その後継がどう変わったのかは気になるところでした。
こんにちは、ルーティンラボ(@rutinelabo)です。本記事では、公式が公開したベンチマークの読み解きに加えて、いつも新モデルが出るたびに回している自前の検証コース10課題を、Fable 5.1とFable 5にまったく同じ条件で走らせた結果をまとめます。伸びた場所には、はっきりとした偏りがありました。
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結論|伸びたのは科学と業務自動化、日常のコード編集はほぼ横ばい

先に結論からお伝えします。Fable 5.1は全方位で賢くなったモデルではありません。公式が出したベンチマークを見ると、科学的なタスクと業務の自動化では2倍前後に伸びている一方で、日常のコード編集に近い項目はほとんど変わっていません。
この偏りは、僕が自前の検証コース10課題で実際に走らせたときにも同じ形で出ました。非ゲーム系の課題では前世代の1.63倍のコードを書いたのに、ゲーム系は1.20倍にとどまり、最難関の課題にいたっては前世代を下回ったのです。
料金も似た構造をしています。基本の単価は据え置きで、下がったのはキャッシュ読み込みだけ。つまり同じ資料を何度も読み直させる長時間の作業をしている人にだけ効く値下げで、短いやり取りが中心の使い方だと支払う額はほぼ変わりません。
9月1日に出たもの|Fable 5.1とMythos 5.1は中身が同じ

今回はFable 5.1とMythos 5.1の2つが同時にリリースされました。名前が違うので別物に見えますが、公式によれば中身は同じモデルで、違うのは安全対策の水準だけです。
Mythos 5.1のほうは、サイバーセキュリティや生命科学の分野で使う組織に向けた限定提供です。許可されたユーザーだけが使えるため、日本から普通に触れるのはFable 5.1になります。AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azure、Claude APIなど主要なプラットフォームで利用できます。
Fable 5はSWEベンチやターミナルベンチのスコアが高く、自律的にコードを書いてエージェント的な仕組みを組んでくれる点で、2026年の6月から7月にかけて話題を独占していたモデルでした。一方で、科学分野のタスクではGPT-5.6のほうが強いという声もあり、今回の5.1はそこを埋めにきた形になります。
公式ベンチマーク|伸び幅が項目でここまで違う

公式が公開している比較表から、主な項目を抜き出したのが下の表です(2026年9月時点・Anthropic公式発表参照)。
| ベンチマーク | Fable 5.1 | Fable 5 | Opus 5 | 伸び |
|---|---|---|---|---|
| 科学タスク(Terminal-Bench-Science 0.1) | 52.6% | 24.7% | 29.0% | 約2.13倍 |
| 業務の自動化(AutomationBench) | 31.4% | 17.1% | 26.9% | 約1.84倍 |
| エージェント的なコーディング(Terminal-Bench 4.0) | 55.8% | 42.0% | 52.3% | 約1.33倍 |
| 知識労働(GDPval-AA v2) | 1853 | 1723 | 1824 | 約1.08倍 |
| 日常のコード編集(CursorBench 3.2.0) | 73.4% | 70.5% | 70.0% | 約1.04倍 |
いちばん大きいのが科学タスクで、24.7%から52.6%へと2倍を超えています。業務の自動化も17.1%から31.4%と、約1.84倍。この2つが今回の目玉です。
その一方で、ターミナルベンチやカーソルベンチはそこまで伸びていません。「新しいモデルだからすべてが速く賢くなった」という読み方をすると期待とずれます。自分の使い方がどの項目に近いかで、体感は大きく変わるはずです。
公式のスコアボードで面白かったのが、エフォートレベルの比較です。前世代のFable 5を最大エフォートで回したときと、Fable 5.1を低いエフォートで回したときが、ほぼ同じスコアに並んでいます。同じ結果を、より少ない思考量で出せるようになったということです。
ここは注意
これらの数値はすべて公式が自ら公表しているものです。第三者の検証ではないので、参考値として見るのが安全です。だからこそ、この記事では自分の手元でも同じ課題を走らせて確かめました。
自前の検証コース10課題で実機比較してみた

新しいモデルが出るたびに、僕は同じ課題を並べた検証コースを回しています。今回はそこから10課題を選び、Fable 5.1とFable 5に同じお題を一度だけ渡しました。追加の指示もエラーの指摘もしない、いわゆるワンショットです。
変えたのはモデル名だけで、設定は1文字も動かしていません。判定は3つ、最後まで書き切れたか、ブラウザで実際に動くか、そして出力の最後に自分で書かせるチェックリストに嘘がないか。
結果はどちらも10課題すべてで成果物を出し切りました。落ちた課題はありません。差が出たのは中身のほうです。

まずはスマブラ風の対戦アクションゲームです。左がFable 5、右がFable 5.1。前世代のほうも空中から敵が現れて十分遊べるレベルに仕上がっていますが、5.1のほうはダメージを受けたときに吹っ飛ぶアクションが入っていました。人間が「あったらいいな」と思う細かい部分を、言われなくても組み込んでくる。この感じはFableらしいと感じた部分です。

今回あらたに追加した課題が、3Dの鬼ごっこゲームです。ハンターに捕まらないようにアイテムを集めてゴールを目指すという内容で、コースもきちんと作ってくれました。実際に遊んでみると、はまって動けなくなる場面が一度ありましたが、やり直すとクリア条件までしっかり動きます。

3Dシューティングも作らせてみました。こちらも問題なく遊べるレベルです。ただ、背景で動いている3Dオブジェクトの表現などは、前世代との差が出やすい部分だと感じました。
実測データ|非ゲーム系だけ大きく伸びていた

10課題それぞれで、書き出されたコードの量を比べたのが上のグラフです。Fable 5を1.00としたときの倍率で並べています。
目を引くのは倍率が0.91から2.04までばらついていることです。一律に増えるわけではありません。しかも並び方に規則性があります。
| 課題の種類 | Fable 5.1 | Fable 5 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| ゲーム系 7課題 | 421,482バイト | 352,120バイト | 1.20倍 |
| 非ゲーム系 3課題 | 227,356バイト | 139,332バイト | 1.63倍 |
| 合計 10課題 | 648,838バイト | 491,452バイト | 1.32倍 |
会社ホームページやインフォグラフィックといった非ゲーム系では1.63倍。一方でゲーム系は1.20倍にとどまり、生WebGL2で3Dアクションを書かせる最難関の課題では0.91倍と前世代を下回りました。難しい課題ほど差が開きそうなものですが、実際は逆だったわけです。
この形は、公式ベンチの「科学タスクは2.13倍、日常のコード編集は1.04倍」という構造とよく似ています。Fable 5.1が本当に伸びたのは、文書や情報設計、業務寄りの仕事のほうだと考えるとつじつまが合います。
所要時間も測りました。10課題を走らせきるのにFable 5.1は129分、Fable 5は100分。約1.28倍の時間がかかっています。公式ドキュメントの比較表でもFable 5.1のレイテンシは「低速」と書かれているので、実測とも一致します。
料金|据え置きだが、下がったのはキャッシュ読みだけ

料金は前世代から据え置きです(2026年9月時点・公式ドキュメント参照)。
| 項目 | Fable 5.1 | Opus 5 |
|---|---|---|
| 入力(100万トークンあたり) | 10ドル | 5ドル |
| 出力(100万トークンあたり) | 50ドル | 25ドル |
| キャッシュ読み込み | 0.25ドル(従来1ドル) | — |
| 相対的なレイテンシ | 低速 | 標準 |
| コンテキストウィンドウ | 100万トークン | 100万トークン |
| 知識のカットオフ | 2026年6月 | 2026年5月 |
入力10ドル・出力50ドルという基本料金は変わっていません。今回下がったのはキャッシュ読み込みで、1ドルから0.25ドルへの75%減です。公式はこれによって通常の作業で約25%、高度に自律的な作業では最大45%のコスト減になるとしています。
ここで注意したいのが、この値下げはOpus 5と比べた話ではないことです。表のとおりOpus 5は入力5ドル・出力25ドルなので、Fable 5.1は単価でいえば2倍のまま。長時間まわす自律的な作業なのか、短いやり取りが中心なのかで、どちらを使うかの判断が変わってきます。
実際に使ってみて|Maxプラン2つが1時間ずつで枯渇しました

ここからは実際に使った感想です。公式の数字だけでは見えない部分でした。
いちばん驚いたのが消費の速さです。Claudeには5時間ごとに使える上限があるのですが、Fable 5.1で生成物を作らせていると、それを一瞬で使い切ってしまいます。僕はアカウントを2つ持っていてどちらもMaxプランで回していたのですが、両方とも1時間ほどで生成が止まりました。
作業量をこなしてくれるのはありがたいのですが、その分だけトークンの消費も大きいということです。従量課金でAPIから引っ張っていた頃は、Fable 5でも10分ほどで1万5千円が溶けたことがありました。コスパよく使うなら、サブスクのMaxプランで回すほうが安心だと感じています。
実際に変えた設定
僕はCLAUDE.mdの設定を、ハーネスの仕組みを組む工程とループの設計をFable 5.1にして、そこから先の実装はOpus 5に切り替える形にしました。全部を5.1で走らせると、消費がかなり大きくなります。
調べていて見つけた注意点も2つあります。ひとつはあまりに長い課題を投げると途中で切れる恐れがあること。もうひとつはモデルを行き来させないことです。前の世代へ戻すと思考の記録が失われて、作り直しの手間と費用が乗ってしまいます。
エフォートの設定は、既定の状態ですでに「高」になっています。ここからさらに最大や特高へ上げるかどうかは、トークンの消費を抑えながら処理させたい場合の調整ポイントになります。
公式が案内している使い分け|迷ったらOpus 5から

最後に、公式ドキュメントに書かれている案内を紹介します。ここはあまり話題になっていない部分ですが、モデル選びでいちばん実務的なところです。
公式のモデル一覧ページには、どれを使うか迷うくらいの用途であれば、基本的にはOpus 5から始めてくださいと書かれています。Fable 5.1を使うのは、負荷の高い推論と長時間にわたる自律的な作業のとき、あるいはOpus 5を高いエフォートで試してもなお足りないとき、という位置づけです。
実感としても、たいていの作業はOpus 5で済んでしまいます。僕自身、Fableの枠を使い切ったあとの月末あたりは節約を兼ねてOpus 5で作業していますが、これといった不便は感じていません。以前ネットで言われていた「Opus 4.8は物足りない」といった感じは、Opus 5にはまったくないというのが正直なところです。
まとめ|自分の作業がどちら側かで選ぶ
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Claude Fable 5.1について、公式のベンチマークと自前の検証コース10課題の実測から見てきました。
- 伸びたのは科学的な分野と業務の自動化で、いずれも2倍前後。日常のコード編集はほぼ横ばい
- 自前の10課題でも同じ形が出た。非ゲーム系1.63倍・ゲーム系1.20倍、最難関の課題は0.91倍と下回った
- 料金は据え置きで、下がったのはキャッシュ読み込みの75%減のみ。同じ資料を何度も読み直す作業にだけ効く
- Opus 5と比べると単価は2倍のまま。公式もほとんどの用途はOpus 5から始めるよう案内している
- 所要時間は1.28倍。公式の比較表でもレイテンシは「低速」と明記されている
選び方はシンプルです。同じ資料を何度も読み直しながら長時間まわす自律的な作業をしているなら、キャッシュの値下げが効いてコスパよく動いてくれます。科学的な分野や重めの推論も、はっきり賢くなりました。
逆に、短いやり取りが中心の使い方であれば、前の世代や単価が半分のOpus 5で十分に足ります。新しいモデルが出たからといって全部を移す必要はなく、工程ごとに使い分けるのがいちばん無駄がないというのが今回の結論です。
過去にもモデルの使い分けについて書いていますので、あわせて読んでみてください。CLAUDE.md棚卸しの実践では、どの工程をどのモデルに任せるかの整理の仕方をまとめています。
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保護中: CLAUDE.md棚卸しの実践|Opus 5へ移す・残す・足す手順
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