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DeepSeek V4 Flashを実機検証|Opus 4.8の97%を1/89の料金で

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この記事でわかること

  • DeepSeek V4 Flashの性能が実際どのくらいなのか
  • 出力コストが89分の1になる料金の中身
  • 8種類の実機検証でわかった得意分野と苦手分野
  • どの仕事なら任せていいかの線引き

 

まず2分で全体像をつかみたい方はこちら

この記事の要点だけを2分にまとめた解説スライドです。料金の内訳や8種類の検証結果など、詳しい中身はこの下の本文で解説しています。

 

「実際に8種類のお題を作らせてみたら、得意なものと苦手なものがはっきり分かれました」

 

安いモデルが出たと聞いて、まず気になるのは品質だと思います。単価が下がっても、やり直しが増えれば結局そちらのほうが高くつくからです。今回のDeepSeek V4 Flashは出力コストがClaude Opus 4.8の89分の1という価格で登場しましたが、その安さをどこまで信用していいのかは、公式の数字を眺めているだけでは判断できません。

 

こんにちは、ルーティンラボ(@rutinelabo)です。今回はDeepSeekが2026年7月31日にリリースしたV4 Flashについて、公式のベンチマークと料金を確認したうえで、実際にゲームやサイトやスライドを作らせた結果まで見ていきます。オープンウェイトという点では前回のKimi K3と対になる内容なので、あわせて読むと違いがはっきりします。

 

Kimi K3のオープンウェイトは個人で動くか|1.56TBの現実と使い方

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DeepSeek V4 Flashとは|7月31日にリリースされた軽量モデル

DeepSeek V4 Flashのリリースを伝える公式の画面

 

DeepSeek V4 Flashは、中国のDeepSeekが2026年7月31日に公開ベータとしてリリースした軽量モデルです。正式なモデル名はDeepSeek-V4-Flash-0731で、4月に出ていたプレビュー版を置き換える正式版という位置づけになります。

 

APIから呼び出すときのモデル名はdeepseek-v4-flashのままで変わりません。つまりプレビュー版をすでに使っていた方は、こちら側で何もしなくても新しいほうに切り替わっている状態です。

 

今回のリリースで技術的におもしろいのは、アーキテクチャもモデルサイズも一切変わっていないという点です。公式はプレビュー版と同じ構成・同じサイズだと明言していて、性能の向上は事後学習をやり直したことだけから生まれています。器はそのままで、中身だけを入れ替えたという言い方が近いと思います。

 

項目 内容
リリース日 2026年7月31日(公開ベータ)
正式モデル名 DeepSeek-V4-Flash-0731
総パラメータ 284B(1トークンあたり有効13B)
MoE構成 ルーティング専門家256+共有1/1トークンにつき6発動
コンテキスト長 100万トークン
最大出力 384Kトークン
思考モード 非思考・思考(既定)の両対応

出典:DeepSeek公式 Models & Pricing(2026年8月時点・公式参照)

 

ベンチマークの読み方|Opus 4.8の一つ下という位置づけ

DeepSeek公式が発表したベンチマーク比較表

 

DeepSeekは公式アカウントでベンチマークの比較表を出しています。まず目を引くのが、ターミナル操作の能力を測るTerminal Bench 2.1です。V4 Flashは82.7、Claude Opus 4.8は85.0で、差は2.3ポイントしかありません。

 

エージェントとしての総合力を見るAgents' Last Examも25.2に対して25.7で、こちらもほぼ並んでいます。数字だけを見ると、最上位クラスに肉薄しているように読めます。

 

ベンチマーク V4 Flash Opus 4.8 到達率
Terminal Bench 2.1 82.7 85.0 97.3%
Agents' Last Exam 25.2 25.7 98.1%
DeepSWE 54.4 58.0 93.8%
Toolathlon-Verified 70.3 76.2 92.3%
NL2Repo 54.2 69.7 77.8%
DSBench-Hard 59.6 71.7 83.1%

出典:DeepSeek-V4-Flash-0731 公式モデルカード(2026年8月時点・公式参照)

 

Claude Opus 4.8に対するDeepSeek V4 Flashの到達率をベンチマーク別に示した棒グラフ

 

ただし、表の下のほうを見ると話が変わります。自然言語の仕様からリポジトリを丸ごと起こすNL2Repoは54.2に対して69.7で、到達率は77.8%まで落ちます。難度の高いデータ分析を扱うDSBench-Hardも83.1%どまりです。

 

つまりOpus超えかというと、そうではありません。得意な領域では並びますが、複雑さが増すほど差が開いていきます。僕の体感としては、Opus 4.8の一つ下ぐらいのモデルだと思っていただくのがちょうどいいと思います。

 

もうひとつ触れておきたいのが、プレビュー版からの伸び方です。ソフトウェア開発の能力を測るDeepSWEは、プレビュー版の7.3から54.4まで上がっていて、これは7.4倍にあたります。前述のとおりアーキテクチャは変えていないので、事後学習のやり直しだけでここまで動いたことになります。同じ比較表のなかでは、下位モデルであるはずのV4 Flashが上位のV4 Proプレビュー版を9項目すべてで上回っていて、モデルの世代交代が器を作り直すことではなくなってきているのがよくわかります。

 

料金|出力コストがOpus 4.8の89分の1

DeepSeek V4 Flashの1Mトークンあたりの単価が表示された画面

 

今回いちばん注目されているのが価格です。出力100万トークンあたり0.28ドルで、日本円にするとおよそ40円から50円といったところになります。

 

同じ量を出力したときのClaude Opus 4.8が25ドルなので、単純計算で89分の1です。入力側はさらに効きます。通常の入力が0.14ドルなのに対して、キャッシュが効いた入力は0.0028ドルまで下がります。同じ文脈を何度も読ませるような使い方をしていると、桁がもうひとつ落ちる計算です。

 

モデル 入力($/1M) 出力($/1M) 出力の倍率
DeepSeek V4 Flash 0.14 0.28
GLM-5.2 1.40 4.40 15.7倍
Claude Haiku 4.5 1.00 5.00 17.9倍
Claude Sonnet 4.6 3.00 15.00 53.6倍
Kimi K3 3.00 15.00 53.6倍
Claude Opus 4.8 5.00 25.00 89.3倍
GPT-5.6 Sol 5.00 30.00 107倍

出典:各社公式価格ページ(2026年8月時点・公式参照)

 

出力100万トークンあたりの料金を7つのモデルで比較した横棒グラフ

 

グラフにすると差がわかりやすいと思います。他社の軽量モデルと比べても一段安く、いちばん近いGLM-5.2でも15.7倍の開きがあります。単価だけで見れば、現時点で選択肢のなかでは頭ひとつ抜けている水準です。

 

ただし、ひとつだけ注意しておきたい点があります。公式の料金ページにはピーク時間帯は通常の2倍料金にする方針が記載されていて、対象は北京時間の9時から12時と14時から18時です。日本時間に直すと10時から13時、15時から19時になり、日本の勤務時間帯とほぼ重なります。

 

注意点

このピーク料金は2026年8月時点でまだ適用開始日が発表されていません。公式も導入の予定として記載しているだけの段階です。ただし始まれば、89分の1という数字は日中に限って半分の意味になります。バッチ処理を夜に寄せられる用途かどうかで、実質的な価値が変わってくる部分です。

 

オープンウェイトで公開|166.9GBという現実的なサイズ

128GBのMacBook ProでDeepSeek V4 Flashをローカル動作させた報告のX投稿

 

V4 Flashはオープンウェイトのモデルとしても公開されています。HuggingFaceで重みが配布されていて、ライセンスはMITです。LM Studioのようなツールからも扱えるようになっています。

 

公開されているファイルの合計サイズは166.9GBで、48個のファイルに分割されています。284Bという総パラメータの規模から想像するより小さく感じますが、これには理由があります。エキスパートの重みが最初からFP4、つまり4ビット精度で配布されているからです。自分で量子化をかける手間がない状態で配られていることになります。

 

ここが前回扱ったKimi K3との大きな違いです。あちらは1.56TBあって、個人の環境では現実的に動かせないという結論になりました。今回はその約9分の1のサイズなので、頑張れば動かせる射程に入ってきています。

 

項目 DeepSeek V4 Flash Kimi K3
公開サイズ 166.9GB 1.56TB
配布時の精度 FP4(量子化済み) 自前で量子化が必要
ライセンス MIT 独自ライセンス

出典:HuggingFace 公式リポジトリ(2026年8月時点・実測)

 

実際にX上では、128GBのMacBook Proでローカル動作させたという報告も出ています。ただし標準構成では販売されていないメモリ量なので、カスタマイズして購入したモデルだと思われます。

 

僕自身はM3チップの64GBを使っていて、これで70万円ほどでした。128GBだとおそらく100万円前後にはなるはずなので、そのクラスのマシンが前提になります。

 

つまり誰でも動かせるという話ではありません。それなりのハードウェアは必要になります。それでも最新のオープンウェイトモデルが個人の手の届く範囲に入ってきたという意味では、なかなか夢のある状況だと思います。

 

8種類のお題で実機検証|得意と苦手がはっきり分かれた

ここからが本題です。OpenRouter経由でV4 Flashを導入して、いつものように同じお題をいくつかのモデルに投げて比べてみました。結果を先にまとめると、得意な領域と苦手な領域がかなりはっきり分かれています。

 

よくできたもの

DeepSeek V4 Flashが生成した、物を巻き込んで大きくなるゲームのプレイ画面

 

いちばん驚いたのが、小さいものを巻き込みながらだんだん大きくなっていくタイプのゲームです。これは正直かなりクオリティが高かったです。

 

少し粗いところはあるものの、巻き込んだ分だけ大きくなって、より大きいものを巻き込めるようになるというゲーム性の中心をしっかり実装してくれました。ワンショットの生成でここまで来るのは十分に立派だと思います。

 

DeepSeek V4 Flashが生成したアニメーション付きスライド

 

もうひとつ良かったのが、アニメーション付きのスライドです。動きのあるスライドをコードで作らせたのですが、これは実用に足りる出来でした。

 

動的なスライドを毎日のように量産したい方には、この用途だけでも導入する価値があると思います。単価が安いので、枚数を作るほど効いてきます。人間が最後に目で見て確認する成果物という点でも、相性がいい使い方です。

 

互角だったもの

DeepSeek V4 Flashが1ページで生成したポータルサイト

 

自分のポータルサイトのようなものを1ページで作らせたところ、こちらはきれいにまとまりました。最新動画を埋め込む枠や、チャンネルへ飛ぶボタンも動いていて、突きどころがあまりありません。

 

同じお題をGemini 3.6 Flashにも投げましたが、並べて見てもそこまで差はありませんでした。体感としての精度はGemini 3.6 Flashにかなり近い、というのが正直なところです。

 

軽めのLPを作るとか、すでに設計が決まっているものにコードを当てていくような作業であれば、十分に表現してくれるモデルだと思います。動画共有サイトのようなUIも試しましたが、ざっくり作るぶんには問題ありませんでした。

 

厳しかったもの

DeepSeek V4 Flashが生成した3Dアスレチックが無限ループしている画面

 

一方で、複雑な3Dになると急に厳しくなります。3Dのアスレチックを作らせたところ、ジャンプの動作自体はできるものの、途中で無限ループに入ってしまって先に進めませんでした。

 

DeepSeek V4 Flashが生成したマインクラフト風ゲームの崩れた画面

 

マインクラフトのようなゲームも試しましたが、こちらは形になりませんでした。同じお題をQwen 3.8 Maxにも投げていて、そちらと比べると精度の差は明確です。3Dモデルを扱うお題については、比較したなかではQwenのほうが全然上でした。

 

2Dのアクションゲームも作らせています。動くことは動くのですが、キャラクターのデザインなどは少しざっくりしていて、同じお題を投げたClaude Opus 5のほうがまとまっていました。3Dになると精度の差が顕著に出る、という傾向がはっきり見えた検証でした。

 

使い始める方法|OpenRouterが一番早い

使い方はいくつかありますが、まず試すという段階であればOpenRouterが早いと思います。僕自身も今回の検証はここから導入しました。

 

step
1
OpenRouterでAPIキーを発行する

OpenRouterでAPIキーを発行する画面

 

OpenRouterはテキストだけでなく、画像や動画、音楽や音声まで、さまざまな生成AIモデルを一括で引っ張ってこられるサービスです。サイトからAPIキーを発行して、先にクレジットをチャージしておきます。上限を10ドルに設定すれば、その範囲でいろいろなモデルを使い回せます。

 

step
2
モデル一覧からV4 Flashを選ぶ

OpenRouterのモデル一覧からDeepSeek V4 Flashを選ぶ画面

 

モデルの一覧を開くと、使えるモデルがずらっと並びます。リリースされたばかりのDeepSeek V4 Flashもここから選べます。新しいモデルが出るとすぐ反映されるので、出たばかりのものをさっと触ってみたいときに便利です。

 

step
3
公式APIを直接使う場合はエンドポイントを差し替える

DeepSeek公式の料金表。OpenAI形式とAnthropic形式の2つのベースURLが記載されている

 

公式のAPIを直接叩く方法もあります。DeepSeekはOpenAI形式とAnthropic形式の両方に互換のベースURLを用意しているので、いま使っているクライアントのエンドポイントを差し替えるだけで動きます。

 

形式 ベースURL
OpenAI形式 https://api.deepseek.com
Anthropic形式 https://api.deepseek.com/anthropic

出典:DeepSeek公式 Models & Pricing(2026年8月時点・公式参照)

 

サブスク契約がある方への注意

ClaudeやChatGPT、Geminiにサブスクで契約している方は、そちらのモデルはサブスク枠から使うように設定しておくのがおすすめです。OpenRouterは従量課金なので、サブスクで使えるものまでAPI経由で引っ張ってくるとクレジットがもったいなくなります。

 

使いどころの線引き|任せていい仕事とダメな仕事

ここまでの検証を踏まえて、どこに使うかの線を引いておきます。全部を安いモデルに移すという発想でいくと、やり直しのコストで価格差の優位が消えてしまいます。

 

判定 仕事の種類 理由
任せていい ターミナル操作・一定の自動化 Terminal Bench 82.7で最上位に肉薄
任せていい 既存システムとのツール連携 Toolathlon 70.3で到達率92.3%
任せていい 動的なスライド生成など量をこなす作業 実機検証で品質を確認・単価が安い
様子を見る 既存リポジトリへの機能追加 DeepSWE 54.4は到達率が高くても絶対値が低い
まだ早い 仕様書からリポジトリを丸ごと生成 NL2Repo 54.2で到達率77.8%
まだ早い 難度の高いデータ分析 DSBench-Hard 59.6で到達率83.1%

 

僕自身の感覚としては、ハーネスの仕組みの一部を構築させるような使い方はありえないと思っています。全体像を設計するところや、ループを回す中核の部分はOpus 5やFable 5のようなモデルに任せたほうが、生成物の精度は確実に上がります。

 

逆に相性がいいのは、人間が必ず目を通す工程です。僕の場合だとスライドを作るとか、台本の資料をまとめるといった作業がこれにあたります。生成物の終点に近いところ、つまり出てきたものを自分で確認してから使う場所であれば、多少のブレが混ざっても他に波及しません。

 

反対に、相手に渡す資料や第三者が見る成果物になると、少し頼りない印象です。指示をきちんと守って実装してくれるかという点にはまだ不安が残るので、シンプルなやり取りや簡単な作業に留めておくのが安全だと思います。最近はハーネスの仕組みを組んでループをどう回すかという設計が重要になってきましたが、そこに使うモデルは大規模なものばかりである必要はありません。役割を分けて組み合わせるという発想で見ると、V4 Flashの置き場所は見つけやすくなると思います。

 

まとめ

DeepSeek V4 Flashを実機検証

 

DeepSeek V4 Flashは、性能を最上位クラスに近づけながら価格を2桁下げてきたモデルです。ただし全部の領域で並んだわけではないので、任せる仕事を選ぶ必要があります。

 

  • Terminal Benchは82.7でOpus 4.8の97.3%、ただしNL2Repoは77.8%どまり
  • 出力100万トークンあたり0.28ドルで、Opus 4.8の89分の1
  • ピーク時間帯2倍料金は導入予定だが2026年8月時点で開始日は未発表
  • オープンウェイトは166.9GB・MITで、Kimi K3の約9分の1のサイズ
  • スライド生成やターミナル操作は得意、複雑な3Dとリポジトリ生成は苦手
  • 人間が必ず目を通す工程に置くと安全に使える

 

軽量で速いモデルをどう組み込むかは、これからの開発環境でますます効いてくる部分だと思います。Grok 4.5のように選択肢も増えてきているので、ご自身の環境にどう取り入れられるかという視点で見比べてみてください。

 

それでは今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

せなお

RutineLaboの管理人:せなお。 AIやITに関する情報発信中。ブログでは最高月間1.8万PVを達成 | YouTubeチャンネル収益化 | 総フォロワー数12,000人以上。 副業からスタート、合同会社Routinelaboを運営中

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